短編
□いっそ傷つけて
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私は、神宮寺さんに告白した
でも、やっぱり振られてしまった
分かってた。神宮寺さんが一人のものにならないことぐらい
涙が溢れそうになるのを必死に堪えて
すると神宮寺さんは、ふわり と私の頭に手を乗せなでる
「ごめんね、ありがとう」
これまたふわりとした笑顔で言うのだから酷い
そして私はまた、神宮寺さんに惚れてしまうのだ
いっそのこと酷く傷つけてくれたら嫌いになれるのに
そうして新しい恋を探すのに
それをさせてくれない彼は残酷な魅惑の悪魔だ
end