GUN COMPLEX

□two
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「…とまあ、こんなことがあったんだ」
「「ほー…」」

珍しく遅刻をした俺に叱咤を飛ばした二人に、言い訳がましく昨日あったことを話した。

…レイプされたことは勿論伏せて。

途中まで話したところで授業が始まり、今は放課後だ。

「朝の話の続きだけど、リンチくらいそうになったなんて、最近もっと物騒になったんじゃない?」

旱の言葉に、フサギと共に頷く。

「それで、時飛家はどうだったんだ」
「刺々しい雰囲気じゃなかった。家まで送ってもらったし…嫌な奴はいたけど」

その言葉に二人がムッとする。

「何かされたのか」

口封じのことは言っていいのかな。
第一俺は時飛家の情報を持ち帰ったわけじゃ無いし…。
なかなか口を開かない俺を見兼ねてか、フサギがモニターを仕舞いながら言った。

「どうせ口封じでもされたんだろう。帰るぞ」
「…うん」

俺もモニターを仕舞い、荷物を鞄に詰めた。

これはフサギの優しさだ。
俺の考えてることを見透かして、俺が謝る前に空気を切り替えてくれる。

俺と旱にしかわからない、フサギの優しさ。
みんなフサギは冷たいって言うけど、一緒にいるとほっこりするし、背筋がしゃんとする。

「…へへ」
「なあにへらへら笑ってんの、ヘート!今日も置いていっちゃうよ!」
「ええ!?待って!」

軽やかに机を飛び越えて行った旱を追い掛けるようにして、俺も教室を飛び出した。

***

「ただいま」
「お帰り」
「あれ?なんで兄ちゃんがいんの?」

玄関を開けるとそこには兄である先駆(せんく)がいた。
靴を脱いでいる。丁度到着したのだろう。

「国外探査はどうしたの」
「一時帰国だよ」

国外探査というのは、政府の仕事だ。
文字通り日本国外へ出て他国だったり新境地だったりを探査する。
兄はまだ若いというのに部下を何人も引き攣れ探査に向かう、所謂精鋭なんだ。

「じゃあさ、また土産話聞かせてよ!」

先駆から聞く土産話は歴史好きの俺からしてみれば宝物のようなものだ。
いつものようにそうせびると、兄は母に似た優しい目元を緩ませた。

「ああ。その前に、飯だな」
「今日のご飯何だろ」

わくわくしながら広いリビングに行くと、いつものように一族が揃い踏みだった。
家族は総勢20人近くいるのだ。

各々の席に着くと、一番奥に座っている祖父が箸を取る。

…かと思ったのだが。
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