Here you are!

□Boom Boom
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「松本さん、もうちょっと櫻井さんに寄ってくれますか?」


「あーはい…」


グラビア撮影、いつもの5人、いつものスタジオ、いつもの空気感、いつもと変わらないいつもの嵐…


「はい、ありがとうございます!!お疲れ様でしたー!」


繰り返されるシャッター音の中グラビア撮影を終え嵐5人各々スタッフさんに挨拶を交わしながら撮影セットから降りてくる。

珍しく隣にいた松潤がそそくさと相葉ちゃんの方へ行き何やら…ま、いつも通りの?SとMのじゃれあいを見せつける中、我らが二宮大先生がオレの視線に気づいて寄って来た。


「嫉妬の目〜…な訳ないか…今更グループ内でそれもね〜」


二宮大先生…毎回この、人を良く見ている…と言いますか、観察力…観察眼…は影山バリの推理と洞察力を発揮してくれて、驚かされるんですが…


「せーかーい!今更相葉ちゃんにヤキモチもね〜」


互いに愛されている自信満々の…男は追うものってイメージからの脱却を果たした?嵐の頭脳派愛され派の二人…なんて勝手に説明したりして…


「翔ちゃんさ…潤くんといつからシテない?」


「ブッ!そりゃアナタかなり単刀直入ね…何急に…」


「いや、あのさ、さっきグラビアで…」


おお…と小さく頷いたオレの顔と、スタジオの方を見比べてニノは口を開いた。


「質問の答えになってない。いつからシテない?」


改めて聞き返される。しかもかなり歯切れ良く、最後の8文字はスタッカート入りで。
こんな人様の性生活まで、どうして答えなきゃならんのか…多少の疑問を抱えつつ…頭の中を整理する。


「っと〜…」


自分の指折り数えて一体いつから松潤と…イタシテないのか…考えてみる。
夏の怒涛の雑誌メディア露出責め、これは映画の宣伝、
終わったかと思えばドラマの撮影をバタバタと…
あっ!
映画の感想を言いに家に寄ったのが最後…だとするともうすぐ1ヶ月半松潤とシテない事になる。
それでも会えていた間はキス位のスキンシップはあったけど…ここにきて、アイツも舞台入ったしなんやかんやと…忙しいな〜って…


「その指の感じだと…2週間?」


すかさず二宮大先生の突っ込みにオレは首を振って答える。


「うんにゃ…1ヶ月半になる」


「えっ!?マジに」


と、信じられないと言わんばかりのニノの驚き声と同時に大きな塊がオレとニノの間に飛び込んできた。


「翔ちゃん!松潤が虐める!!何で?何でオレだけ?」


「虐めてないだろ?可愛がってんの、愛情表現!ほら相葉さん、何でも翔さんに言えば助かるって思うの止めてくんない?」


オレとニノの腕にすがりつく相葉ちゃんの肩を掴んで、猫かウサギかはたまたカンガルーか…飼育員になった松潤が檻へ促す様に相葉ちゃんを引っ張った。


「いやー!助けてニノ〜!」


これがこのカップルの面白い所…相葉ちゃんのSOSは見事にスルー…と言う屈折しまくり愛情表現…
松潤の肩後方で腹を抱えて笑うリーダーが見える。
アナタ仮にもリーダーでしょ…


「やめてー!松潤!欲求不満なんじゃないの?オレで憂さ晴らししないで!」


「んだと〜!こら!こっち来いや!」


「あー…松潤?お手柔らかに」


相葉ちゃんの必死な形相に思わず声をかけるも…
横で二宮大先生がため息を吐いた。
無理矢理引っ張られ松潤に連れていかれながらあのつぶらな瞳がゆらゆら揺れて助けを求めている。


「翔ちゃん…あれ…潤くん倍に相葉さん、虐めるよ?」


「ええ?そんな子供じゃあるまいし…」


「良いですか〜?」と、学校の先生の様に右手は腰左手は人指し指を立ててニノが続けた。


「さっきグラビア撮影中、潤くんがこう言ったんです『翔さんの横キッチイ』これ聞こえてました?」


「いや、そりゃ立ち難かったんでしょ?あそこ狭かったから…」


「そこに隠れた潤くんの潜在意識までは読み取れなかったと?」


「潜在意識って…」


「潤くんは、あんまり翔ちゃんにくっつくと色々ヤバイって言う意味の『キッチイ』だったんですよ…どう考えたって欲求不満、相葉さんの野生のカンが正解!」


「それでどーして松潤が倍に相葉くん虐めるになるんだよ…」


「今『お手柔らかに』って言ったけど、あの独占欲の塊の前で好きな人が他人を気にかけたら…そりゃ倍に八つ当たりするでしょうよ…ま、オレは相葉さんの弄れてるの…慰めんの楽しいから良いんだけど…」


そんな方程式があったとは…
さすが策士二宮…っと言うことは…


「ギャーーー!」


相葉ちゃんの魂の叫びが楽屋から廊下、果てはスタジオの方まで届いたのは言うまでもない。


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