Here you are!
□Naked
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ベッドヘッドに寄り掛かり、本を読んでいたら翔くんが風呂を済ませ出てきた。
珍しく髪は濡れたまま、パジャマを着ないで腰にバスタオルを巻いただけの状態で…
ピタリと巻かれたバスタオルは腰のラインの一番高い所で巻かれていて、そのしなやかな筋肉と括れた曲線美を惜し気もなく曝していた…
ああ…綺麗な人だ…と素直に思う…
翔くんは躊躇いも無く歩み寄ってきてベッドに登り…オレを覆う様に抱きついてきた。
オレは「髪濡れてるよ」と呟いて腰に巻き付いているバスタオルを引き抜き翔くんの頭にのせる。
チラッと見えた翔くんのソレが微かに反応していて…少し驚いたが…気付かないフリをして翔くんの頭をゴシゴシと拭いてやる。
それさえ何でも無いかの様にオレの首に腕を回したまま動かない。
「ど…どうした?翔くん…」
鼓動が早い…
楽屋でキスした時も、緊張と興奮で胸が激しくザワついて…
「なんか…初めてする時みたいに緊張してる…」
翔くんはそう耳元で呟いてオレの耳朶を噛んだ。
刺激に一瞬身体を揺らすが、翔くんの舌が耳の中を撫でるので髪を拭く手が時折止まる。
耳の回りを湿った熱い息と呼吸の音、吹きかかる息が鼓膜を揺らすのでぞくぞくと背筋を快感が走る…
「しょ…くん…」
オレの短い髪に指が射し込まれ繰り返し梳く様に髪を頭を撫でては耳から首筋頬を舌と唇が通り抜けてゆく…
唇が重なるか重ならないか…至近距離での見つめ合い…翔くんの瞳は熱っぽく潤んで揺れて、その瞳にオレが写る…
「本当…ドキドキする…もう何度もしてんのにね…」
数え切れない位翔くんとしてるのに…数え切れない位キスもセックスも…なのに心臓が痛い位動いてる…
翔くんの腕に力が入り引き寄せられ唇が重なった。その柔らかく熱い唇は情熱の色をのせた弾力でオレを包む…舌が絡み想いを分かち合う様に愛撫すれば痺れた熱が身体を頭を満たしてく…
漏れる吐息の間に名前を呼ぶと翔くんの手が再びシャツの中に滑り込む…
優しく撫でる指、腹筋をなぞり、乳首をなぞり、摘まみ、弾いてから手のひら全体で大胸筋を撫で揉まれる…
「しょ…くん…オレ…胸無いけど…」
まるで乳房を揉まれている様な気持ちになって思わず口にするが、呆れた様に…それでも艶やかに翔くんが言った。
「当たり前…だろ…男…なんだから…」
ごめんね、男で…やっぱりふくよかに…それなりに乳房は有った方が良いよね…と切なくも思っていたら翔くんは思いがけない言葉を呟いた。
「この…完璧な身体で…ベッドシーンなんか…やりやがって…」
「…は?…え?」
オレの頭に浮かぶ疑問符など見えないのか、勢い良くパジャマをたくしあげられそのまま脱がされる。
重なりあう肌と肌…翔くんのしっとりと吸い付く肌にオレの感覚が研ぎ澄まされてゆく。
「オレの…この身体…オレのだから!」
思ってもいない言葉にオレは改めて翔くんの顔を見る…
「…こんなに…セクシーに出来上がったお前の身体…芝居とは言え…他の人間が触れたかと思うと…」
翔くんは苦虫を噛み潰した様な顔をして呟いた。
「翔くん…嫌なんだと…思ってた…
だって…元々翔くんは女の方が良いでしょ?こんな筋肉ついた男なんか気持ち悪いんじゃないかって…」
「何でだよ、オレが何時女のが良いっつったよ…確かに…お前意外の男…なんて想像さえ出来ねーけど…」
伏せ目勝ちに神経質に瞬きを繰り返す翔くんの長い睫毛が忙しなく動いている…
「最初の頃、オレとする度に…何か想い詰める様な顔してただろ…?男のオレとする事への抵抗があったんだと…」
「そりゃ、抵抗が無かったっつったら嘘になるよ、だけどさ…そんな事…どうでも良くなる位…愛しかったし…お前テクニシャンだったから…
この身体だって…オレ男なのに…抱きしめられたら…凄く興奮する…」
翔くんと離れてからオレは男も女も試してみた。
どっちが良いとか、どっちがしっくりいくとか…男と女の違いがオレの中であった訳じゃない…オレはどっちでもイケる口なんだと自分で自分を知った…
だけど、翔くんの女遊びは嫌でも耳に入り、シンが現れるまで散々酒とクラブと女に乱れてて…
そんな翔くんをクラブ通い…に留めさせたシンとさえ最後の一線を越えなかった…と聞けば…オレに操と言うよりセックスは女とするもの、性癖がノーマルなんだと推測出来たんだ…
「ねぇ…翔くん、ニノと寝ろって言ったら寝れる…?」
「やった事ねぇし、挑戦しようとも思わねぇけど…セックスなんて…どーにかなっちゃうもんだと思う…
ただ…
やりたいのはお前だけ…セックスしたいって思うのは松潤だけだ…」
そう言って翔くんの唇がオレの首と肩の境界線に落ち…強く吸われた…
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