Dream Book
□採用試験に挑戦!
1ページ/4ページ
劇団「天昇舞」…
そこは変わり者ばかりいる不思議な劇団として知られていた。
なんでも団員の募集をしているそうで、私は今、募集要項が貼られた扉の目の前まで来ていた・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「カズハ」…それが私の名前。
可愛いモノには興味がなく、流行とかも分からなければ、化粧の技術も皆無。
こんな感じにもともと女らしさのない私だけど、悲しいことに今回、ホントに女を棄てることになってしまった。(泣)
それはどういうことかというと、
"劇団「天昇舞」の団員になって
彼等と友達になってきて"
と友人に命令(?)されたが、募集してたのが男性限定だったからである。
多分女性メンバーはもう決まったのだろう。だから諦めようと何度も言ったが、あの女(←あ、友人ね)が駄々をこねるから仕方なく男装をして面接に行くことになったのだ。
唯一の救いは、たった一人の男友達「アレック」が一緒に面接を受けてくれるということだけ。
あぁ…帰りたい(泣)
「ほらほら泣かないで。入るだけ入ってみよう。よく考えれば劇団員の面接なんて僕達が受かるはずないし、すぐ終わるよ。ね?」
「う、うん…ιそうだね」
アレック〜!君は神か天使か!!
私を救ってくれそうな予感はするよ。
「でもカズハ、せっかく男装してるんだから、ばれないように男の子らしくしなきゃ駄目だよ?」
「そ、そう…だな」
「完璧、だね。じゃあ行こうか」
アレック…君がそれを言うのか…?ιι
私より君のほうが危うい気がするんだけど…まぁ、いいか。
ようやく私達は、その扉を開いた。