inzm L

□嫌いだなんて言わないで
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怖い、怖いんだ。
俺はこのまま此処に居てもいいのかが分からなくて
毎日練習をしてるのに
俺は、ちゃんと進歩出来ていないような気がしてならない。
でも、こんなことを誰かに言ったら「めんどくさい奴」だとか、「自分のせいだろ」とか思われるに違いない。
何故ならその「自分のせい」が大正解だから。

お腹は空いてたはずなのに、夕飯はあまり喉を通らなかった。
隣に座っていた壁山に、「立向居食欲無いッスか?」と聞かれて
この気分の沈みを誰にも気づかれないように
「実はさっきお菓子食べててさ」
と答えて苦笑いをした。

……それでも気付く人は気付くみたいで
今、部屋に居るのは 俺と、綱海さん。
俺の様子がいつもと違うから
って言って来たらしい。
だけど、今は何となく慰めてほしくはなかった。
俺以外のみんなは……
「立向居!」
「はいっ?!」
突然大きな声を出されて、驚きから声が裏返った。
綱海さんはそれにしばらく笑って、一息ついた
「ふぅ……危うく言いたいこと忘れるところだったじゃねーか!;;」
「………(綱海さんがいきなり大声出すからですよ…!;;)」
「あのな、立向居。お前は俺の……いや、みんなの大事な後輩なんだ」
真剣な眼差しで言っている綱海さん
だけどひとつだけ突っ込ませてもらうと、虎丸よりは先輩です…;;
「だから、何かあったら先輩を頼っていいんだ。俺たちじゃどうしようもないって思ったらマネージャーだとか監督だとかでもいい!」
……返事をするべきなのに
俺は暫く黙り込んでいた。
「立向居…?」
いつもならすぐに、小さくとも「はい」と言うはずの俺が、なにも言わないのはやっぱり珍しいことなのかもしれない。
綱海さんまで黙り込んでしまった。
どうしても「はい」と素直に受け入れられない。
受け入れたくない。
俺は俺であるはずだから、俺にしか分からないことだってあるんだ。
誰かに話したとしても、それは一時期の保険程度にしかならないんだ。
「……俺とみんなは違うんです」
聞こえるか、聞こえないか程度の声で言う。
一人しかつけないポジション
俺を含むみんなから絶対的な信頼をされていて、とても強いキャプテン…円堂さん
そんな大きな目標であって、壁でもある人が居る。


ルート分岐します。
2P目⇒甘め(完結!)
3P目⇒微シリアス+裏(作成中!)
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