呪術師の娘
□娘と復讐編
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「私は――。レオがちゃんと謝ってくれるんならそれでいいけど――。」
「だめです。全額返済もです。ここはちゃんとしないと。」
変なところで厳しいな。
フェリオ。
「――わかった。」
仏頂面でレオナールが立ち上がる。
「有り金全部すって悪かった。申し訳ない。」
「後は全額返済だけですね。」
にこにこと嬉しそうなフェリオの顔。
しかし、私たちが稼いだお金は結構な額だったはずだが。
大丈夫だろうか
「それじゃあ、レオナールさんが全額返済した後に気分一新でここを出発しましょう。」
「えー。まだここにいるの?」
「遺恨は残したくありませんから。」
笑顔のフェリオに、私は初めて何だかよくわからない感情を抱いた。
「それでは僕は眠いので部屋に帰りますね。」
「――私も。」
寝ようと思っていた矢先の出来事だったし、何だか疲れた。
もう寝よう。
それが一番。
部屋を出る時、レオナールがベッドで煙草に火を点けているのが見えた。