呪術師の娘
□娘と復讐編
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気づいた時にはもう遅くて。
レオナールに平手打ちをした後で。
レオナールも私が平手打ちをするなんて思ってなかったのだろう。
私の平手打ちは綺麗に入り、レオナールの頬は赤くなっていた。
「だったら謝罪の言葉の一つや二つ、言ったらどうなのよ!」
「り、リズさん、落ち着いて。」
フェリオが私の肩を押さえて宥めようとする。
でも私はそれを振り切った。
「あんたがギャンブルですったお金は! 私とフェリオくんが一生懸命働いたお金も含まれていたのよ!? あんた一人のお金じゃない! なのになんで謝罪の言葉の一つも出てこないの!」
ついにレオナールが立ち上がった。
「悪かった! これで満足か!?」
「何その言い方! 私を馬鹿にしてるの!?」
「やめてください!」
涙に目を潤ませるフェリオ。
少し、胸が痛む。
「喧嘩しないでください――。」
「でも――。」
「レオナールさんがすったお金全額稼いでちゃんと謝れば済む話じゃないですか。」
そういう問題だろうか。
眉間にシワを寄せるレオナール。
フェリオはさらに続ける。
「それにお金の管理はこれから僕がします。これでもそういうのは得意な方ですし。ね?」
ね、と言われても――。