七色の輝きを求めて

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「はぁ……はぁ……ど、どうにか脱出出来たな………」
「えぇ……あーしんどかった」


中が崩れるギリギリの所で脱出したツバキ達は、脱出して暫くの間その場に座り込んでいた。


「にしても、あんだけ地響き凄かったのに灯台全然壊れてる感じないな。すげー」


先程自分達が出てきた地下のほぼ真上に建っているアサギの灯台を見つめながらツバキは呟く。そして、その呟きに軽いノリでナギが答える。


「地下が爆発しても灯台や町には影響が出ないようにしてるからねー。まっ、設計したのは私なんだけど」
「へー、凄いわね」
「幹部内で一番頭良いのはナギだからね。それ位朝飯前だよ」
「ほぉ〜、成る程なぁ」
「…………おい」


一気統合していたツバキ、ナギ、モミジ、アマモの会話を遮るようにトウヒが四人を冷めた目で見ながら、重々しく口を開く。
そんなトウヒの様子を見ながらアマモはいつもの調子で返事をする。


「ん?どうした?」
「どうした、じゃない!!僕とあんたのバトル、まだ決着が着いてないんだぞ!!?それに……何でこんなに馴れ馴れしくしてくるんだよ」
「……馴れ馴れしく、な。まあ、しいて言うなら<トリプル>の幹部としてお前と戦う必要がなくなったから、としか言えない……よな?」


そう語りながら表情に暗い雰囲気を纏わせ、ナギとレッカに問い掛ける。


「そうだねー。私達、もう幹部でもなんでもないしー」
「悪く言うなら…捨て駒、という所か」
「レッカー。悪く言う必要ないよー?ないないー」
「……って事だよ★」
「理由になってないッ!!」


すかさず突っ込みを入れるトウヒだが、その眼差しは先程と変わらない。


「……さっきそこにいるナギって人から聞いたけど、好きで<トリプル>に入った訳じゃないんだってな」
「……」


そう問われたアマモは、呆れ顔をしながらナギをちらりと見る。
対する見られたナギはゴメンと言いたげな表情をしながら、舌を軽く出す。
それを見て諦めたアマモは、再びトウヒの方を向く。


「あぁ。そうだけど、何かあるのか?」
「あるに決まってる!!?………だったら、何で入ったんだよ。それに、母さんを殺したのだって……」
「………それは………言えない。今のお前にはな」
「なっ、何だよそれ!!」
「その理由を知った所で、お前はそれを受け止められない。だから、今は何も言わないんだ」
「っ……」


先程までのノリが一気に消え伏せた冷静な表情と眼差しを向けるアマモの真剣さ。
それに負け、そのままトウヒは黙り込んでしまう。


「それに、今はカエデちゃんを助けるのが先だろ。……ナギは知ってたんだろ?リーダーがカエデちゃん連れてくの」
「…うん、知ってたよ。でも、何も出来なかった。私が何かしたら、あのカエデって子に何かしそうな雰囲気だったから…」
「……そうか」


ナギの言葉を聞くと、アマモはそう呟きながら立ち上がる。


「さて……リーダーがカエデちゃんを捕まえて何するのかは知らねぇが、どこに連れて行ったのかは分かるな」


アマモの言葉にレッカとナギが賛同を示すように頷く。
が、他の三人は分からず、ただ首を傾げるだけだ。


「って、カエデのいる場所分かるの?」
「あぁ。カエデちゃんが連れて行かれた場所。それは……恐らく、スズの塔で間違いない」




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