七色の輝きを求めて

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「ゴウカザル、"インファイト"!」
「ノノくん、"気合いパンチ"!」


レッカの繰り出したゴウカザルが指示通りに"インファイト"でモミジのバクフーンに襲い掛かる。
バクフーンは"気合いパンチ"でそれに対抗する。
"インファイト"と"気合いパンチ"がぶつかり合い、お互いの体力が少しずつではあるが、確実に削れていく。
一度身を引いた方が良いと判断したのか、ゴウカザルはレッカの元に戻った。
それに続けて、バクフーンもモミジの元へ動く。


「さすが幹部。良いゴウカザルね」
「ふっ……リーグ優勝経験のあるトレーナーにそう言われるとは、良い自慢話になる。"火炎放射"!」
「こっちも"火炎放射"!」


二匹の"火炎放射"がぶつかり、部屋の熱気はさらに強まる。


「あっついねー。そろそろこの熱、冷ましてやろうか……リュウくん、"アクアテール"!!」


バクフーンをボールに戻すと、モミジはカイリューを繰り出し"アクアテール"を放つ。"アクアテール"が直撃したゴウカザルがその場に倒れ込み、倒れたゴウカザルを見ながらレッカは舌打ちをした。


「所詮はコイツも弱いって事だな。…まあいい。弱いヤツは切り捨てる。それで済む事だ」
「なっ……貴方、自分のポケモンでしょ?仲間でしょ!?仲間にどうしてそんな物言い方が出来るのよ!!!」


レッカの言葉を聞いたモミジは怒りの怒号を上げるが、逆にそれを聞いたレッカは鼻で笑う。


「ふっ……仲間?ポケモンが?……コイツらは、単なる私の下僕にすぎん…」
「何て、酷い事を……!!」
「酷い事?ふん。下僕を仲間というお前に言われる覚えはないな」
「んだと、このッ…!!リュウくん、遠慮する事はないわ。思う存分暴れなさい!!"アクアテール"から"雷パンチ"ッ!!!!」


指示を受けたカイリューはレッカに向かって"アクアテール"を叩き込み、"アクアテール"で出来た大量の水貯まりにそのまま"雷パンチ"を流すように叩く。
すると、水貯まりに貯まっていた"雷パンチ"の電気がレッカに向かってバチバチと音を立てる。
そしてそのまま電気がレッカへと飛ぶ。


「ッ!!これは……!?」


驚きレッカの周りに電気の檻が作られ、レッカの動きを封じる。
それを見ながら、モミジは怒りの眼差しも同時に向ける。


「さーて、どうしてくれようか。ちなみにその檻から出ようとしても無駄よ。出ようとした瞬間、ビリッと痺れてあっという間にダウンするから」
「くっ…ここまで上手くポケモンを扱うとは…さすが、リーグ優勝者なだけある」
「……はぁー。やっぱり私の事、全部は知らないみたいね」
「?全部…だと?いったいどういう……」


レッカに問われたモミジは、カイリューを構えさせながら問いに応える。


「…私はリーグに優勝した後、四天王とチャンピオンに挑戦した。そして、私は…
――チャンピオンに、勝った」
「なっ、じゃあ…お前は……!!」
「そう…私は、――チャンピオンよ」




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