七色の輝きを求めて

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キキョウシティのマダツボミの塔を後にしたカエデは、次の町・ヒワダタウンを目指し歩き続けていた。
が、カエデの表情はどこか重々しい雰囲気が出ていた。


「……ここ、どこ?」


そう。
カエデはヒワダタウンに通じる<繋がりの洞窟>に向かっていたのだが、ものの見事に迷ってしまったのだ。
頭を抱えながらポケギアのマップと睨めっこをする。
そんな主人の様子を、手持ちのポケモン達が心配そうな眼差しで見つめる。しかし、そんなポケモン達の様子に気付かず、頭を悩ませる。


「あーもー!!いったいどこなんだよ、ここはー!!!」
「「何かお困りどすか?」
「へ?」


もうどうにかなりそうな頭を抱えているカエデの後ろから声がし、そのままゆっくりと後ろを振り返る。
するとそこには、綺麗な朱色の着物に身を包んだ女性が立っていた。その着物姿と髪型。そして、その頭に付けている簪を見る限り、その女性は<舞妓さん>である事が伺える。


「えっと…実は、ヒワダタウンに行く途中で道に迷ってしまって…」
「ヒワダタウン?実は、私も行く途中なんどすよ」


その言葉を聞き、カエデは目を輝かせながら舞妓さんに詰め寄る。


「ホントですか!あの、良かったら一緒に行きませんか?」
「ええ考えどすなぁ。では、一緒に行きましょか」


こうしてカエデと舞妓さんは、二人一緒にヒワダタウンに向かって歩き出した。





*****


「へぇ……それで旅を?」


カエデは舞妓さんとヒワダに向かって歩く中で、自分の旅の目的を話した。
幼い頃に見た、虹色の輝きを放つポケモンの事。そのポケモンに会いたい一心で、旅に出た事。
色々な話をしていく中、カエデは舞妓さんについて聞きたくなった。


「舞妓さんはどうしてヒワダに?」
「実は、エンジュに行く途中なんどすけど…キキョウからエンジュに向かう道におかしな木が生えてて通れなかったんどす」
「おかしな木?」


そう問い返すカエデに対し、舞妓さんはゆっくりと頷く。


「エンジュからキキョウに行った時は、何もなかったんどす。けど、戻ろうとしたらいつの間にか大きな木が生えてて」
「うーん…不思議な事もあるんですねぇ」


そんな事を言い合っていると、二人はいつの間にか、キキョウとヒワダの間にある<繋がりの洞窟>の入口まで来ていた事に気が付いた。


「あっ、もうここまで来てたんだ」
「さてと。ほな、急ぎましょ」


そしてそのまま、ゆっくりと二人は、洞窟の中へ足を踏み入れていった。




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