七色の輝きを求めて
□Prologue
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「ほらっ、ツバキ!はやくー!!」
「ま、まってよぉ!カエデぇ…」
とある地方のとある町。
カエデと呼ばれた少女とツバキと呼ばれた少年が一緒になって走っている。
同じ走っていると言ってもカエデは元気良く走っているがツバキはもう今にも倒れそうな雰囲気を出している。
「はぁ、はぁ……。
ダ、ダメ…もう……むり……」
ツバキの足はその言葉のまま、その場で動かなくなってしまってしまう。
その事に気付いたカエデはなんとも言えないような複雑な表情を浮かべながらツバキの元まで戻って行く。
「ホントにだらしないんだから、
ツバキはー。
そんなことしてたら
あのキレイなとりみられないよ?」
そのカエデの一言を聞き今度は先程とは逆にツバキが複雑な表情を浮かべ始める。
「それまえからいってるけど
ホントにみたの?
そのキレイなとり」
ツバキのそんな一言に頭の血管が切れたのかカエデの表情がさらに険しいモノになる。
「みたったらみたの!
スッゴくおっきくて、
キレイなとりがとんでいくの!!」
そう主張するカエデの必死さに対しツバキは驚く。
すると、先程まで見せていた複雑な表情から穏やかな笑みに変えた。
「わかった……いこう!
そのキレイなとりをさがしに!!」
ようやく自分の思いが伝わったという喜びからか、カエデの表情も満面の笑顔に変わる。
「うんっ!!」
そして二人は、再び一緒になって走り出した。