小説1

□まぼろしのにんぎょひめ
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また会いたい、そんな儚い
想いを胸に抱いきながら、
俺は、海に向かっていた。
海に着き、辺りを見渡すと
今日も海はキラキラと輝い
ていた。それは凄く綺麗で
思わず、見とれてしまう。
でも、俺の1番の目的は、
あの子にまた会うことで。
時間さえも忘れて、海岸を
行ったり来たりしていた。
それでも、あの女の子を見
つける事は出来なかった。



「 無理だよなあ、」



そう、溜め息混じりに嘆い
たと同時に雨がザーザーと
降り始めた。さっきまでの
快晴が嘘のようだ。最悪だ
な、つくづくついてない。
この際何でもいいや、って
服を来たまま海に入った。
雨だけど水温は高かった。
俺の気持ちと反比例して。
暫くぼーっとしていると、
俺の身体はいつの間にか、
海に引きずり込まれていた
まさか、波に拐われた、?
段々と意識が遠退けてく、
俺、死んじゃうのかな、?
段々と視界がぼやけてく、

俺は意識を飛ばしていた。
目を開いた時、俺は砂浜に
うち上げられていた。俺、
助かったの、?ふと、思い
出した。沈んでく時に感じ
たあの温もりを。誰かが、
俺を陸まであげてくれたの
だろうか、?、まさか、!

根拠はないけど、何故か、
助けてくれたのが、あの女
の子だった気がしていた。
もう1度美しい海に飛び込
んで、必死に辺りを見渡す


(、!)


丁度50メートルくらい前
にあの女の子を見つけた。
やっぱり綺麗だ。息をする
のを忘れるほどに、俺は女
の子に目を奪われていた。
人魚?女の子には、綺麗な
尾びれがついていた。本当
にいるんだ、そんな事を考
えていると、不意に女の子
がこちらに視線を向けた。
そして、ニコッと、綺麗な
笑顔を見せた。それと同時
に俺の意識はまた飛んだ。



‥‥………―――



「 ゆめ、? 」



目を覚ますと、俺は自分の
部屋のベッドの上だった。
夢落ち、か。握られていた
手を開くと、そこにはあの
綺麗な人魚の尾びれと同じ
色の鱗が1つ入っていた。


(夢じゃない、?)


幻だったのであろうか、?
いやでも、これは、きっと
あの女の子のに違いない。





海で出会った人魚姫
( 最初で最後の出会い )







 
 

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