小説1
□いつか絶対!
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「 好きなんですけど、 」
突然の宣戦布告(告白)、
告白してるのはそっちだ
と言うのに、やけに生意
気。見下ろした視線の先
には、1つ年下の可愛く
て、色白で私とは正反対
な男の子が立っていた。
「 付き合いましょ、 」
「 強制、? 」
告白されるなんて始めて
で、本当は余裕なんてこ
れっぽっちもないけど、
これ以上、馬鹿にされる
のは御免だから、余裕を
装ってみる。ふふっと笑
ってもう1度見下ろすと
男の子は明らかに不機嫌
な顔をして私をガン見し
ていた。全く、怒りたい
のはこっちだっての、!
「 ところで、 」
「 君、名前は? 」
「 にのみやかずなり、 」
「 私の身長越したら、 」
「 付き合ったげる、」
私は身長が、169もあ
って。昔からそれがコン
プレックスでもあるんだ
けど。可愛い服はないし
いい事なんて全然ない。
けど、今回ばっかりは、
ついてるかも、有難う、
お父さん、お母さん、!
これで諦めて貰えるよ、
「 あと1センチ、 」
「 …へ、? 」
「 覚悟しといてください 』
二宮くんはそう言って、
ニコッと笑った。それに
ちょっとだけ、ときめい
ちゃっただなんて、死ん
でも言えない、絶対に。
「 そう、 」
「 、先輩 」
「 少し屈んでください、 」
断る理由もない訳で、私
は素直に従う。本当に不
思議な子だ、( ちゅ、 )
「 ちょ、!なにすんの 」
「 キス、ですけど? 」
ですけど、じゃない、!
そんなの理由になんかな
ってないよ、キッ、と二
宮くんを睨むと、また余
裕そうに笑った。次の瞬
間、1センチの身長差が
もどかしいというように
背伸びして、二宮くんの
唇がまた、私のと重なる
「 まだ届かないなあ、 」
届くようになったら、付
き合ってくれるんですよ
ね?二宮くんはそれだけ
言うと、んふふっと、可
愛くに笑って、颯爽と、
どこかに走って行った。
もう、本当になんなの、
そんな二宮くんに、恋し
てしまっただなんて、絶
対に嘘に決まってる、!
いつか絶対( 全部計算なんですか? )
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