教室には科学の先生の声と
チョークの音、生徒がノー
トを移す、シャーペンの音
だけが響いていた。それに
しても今日はだるすぎる、
「 具合悪いんで
保健室いってきていいすか? 」
「 またですか、松本くん 」
「 悪いですか、? 」
「 構いませんけど 」
先生はんふふ、と笑うと、
ゆらゆらと手を振った。不
思議な先生だ。でも、ルッ
クスいいから生徒には、人
気があるみたい。わからな
くも、ないか。俺も、ゆら
ゆらと、軽く手を振り替え
して、保健室へ向かった。
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保健室のドアを開こうと手
をかける。中から何やら声
が聞こえる。先客か、誰か
いるなら、とまた来た廊下
を戻ろうと1歩を踏み出す
「 生徒がきますよ、」
「 大丈夫だって、」
中から聞こえたのは、確実
に生徒の声では無かった。
名前は忘れたけど、確か、
背が高くて茶髪の体育の先
生の声だ。俺は、何度もみょうじ先生と身体を重ねてて。だけど、あの先生とみょうじ先生が何をしてようと、どんな関係であろうと、俺には関係無いことで。それはただの遊びだから。興味はあるけど。
ただ興味本意で、ドアをガラガラと大きな音を開けて開くと、2人はキスの真っ最中で。
(なんで、)
胸が痛むのは、多分気のせい。だって、ただのお遊びなんだから。
『何やってんすか、』
って、如何にも何の関係もない、先生同士の禁断愛の目撃者を装って。2人は、当然慌てて離れて。
「、松本くん」
『なんすか、』
「えっ、と、その」
『大丈夫っすよ、口堅いでんで、』
人に言いふらすなんてくだらない事はしない。だってみょうじ先生が首んなっちゃったら、俺困るし。
「じゃあ、」
って、体育の先生はばつが悪そうな顔して保健室を出ていった。
『せんせ、』
ぐいっ、と先生のに顔を近づければ、みるみる赤くなって。(ああ、面白い)
『保健室で何やってんすか?』
「貴方が言える事じゃないでしょう、」
『、それもそうだけど』
「大体、貴方には関係『てかさ』」
『何時もみたいに、潤って呼んでよ、せんせ。』それと同時に、深い深いキスをお見舞いして。
「じゅ、ん」
『上出来、』
すっかり息の上がった先生をベッドに押し倒して。
ちょっ、と」
『保健体育、教えてよ』
「やめて、」
『うそ、』
って、先生の服をたくしあげればすっかり反応したソレ、が出てきて。
『いや、じゃないでしょ?』
ソレを指先で少し弾けば、可愛い声を上げて。ほら、先生だって満更じゃないじゃん。
俺は、首に緩く巻いてたネクタイをほどいて先生の手首に結んで。
『えっろ、』
「まつもとく、」
『じゅん、』
「じゅん、コレいやっ、」
『ヤだ、こっちのがそそる』
「そういう問題じゃ、っ!」
あまりに五月蝿いから、また唇をふさいで、右手をするすると下げてソコに触れれば、すんなりと指を受け入れて。
『いんらん、』
「ちがっ、!」
『じゃあ、何でこんなになってんの、?』
そう問いかけても、先生は反論できない訳で。だって、俺に溺れてんだもん。
『もう、余裕ねえわ』
何故か今日は、余裕がなくて。2人のキスを見てしまったから、?いや、そんなんじゃない。(多分、)
先生が俺の背中に手を回したのを合図に、一気に自身を滑り込ませた。
『きっつ、』
あまり慣らしていなかった、先生の中は予想以上にキツかった。
「ん、っじゅん」
『せんせ、』
「、なに?、っん」
『耳元で好きって、言ってよ』
溺れていたのは、俺の方なのかもしれない。先生が欲しくてたまらなかったんだ。
「、いやあ、」
『早く、』
腰の速度をあげれば、先生は更に甘い声をあげて。
「じゅっ、す、きっ、」
『俺も、』
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「じゃあ、1番大切な物書いてね」
美術の先生は、それだけ言ってふらふらと何処かへ行った。
(大切なもの、)
俺の頭に真っ先に浮かんだのは、みょうじ先生の顔で。
(さいっ、あく)
あれは、ただの遊びだ。そう自分に言い聞かせても頭に浮かぶのはただ1人で。
『何やってんだ、俺』
「松本くん、?」
『うわっ、!』
「どうかしたの?」
『、いや別に』
突然現れた先生はふにゃんと笑って、俺に問いかけた。
「あっ、そうだ!」
『なんすか、?』
「みょうじ先生ね、今月で辞めちゃうんだって、」
『え、』
「なんか、慶應大学を卒業した超エリートと結婚するみたいだよ、」
『ふーん、』
ほら、やっぱり。溺れたら、最後に傷つくのは結局自分なんだ。
(あーあ、)
「松本くん、」
「泣いてるの、?」
『んな訳ないでしょ、』
「ふふ、そっか、」
美術の先生は、またふにゃんと笑って何処かへ消えてしまった。
(1ヶ月か、)
はあ、と1つため息をついて俺は保健室へ走った。
好きだなんて、(ああ、めんどくさい。)