drrr!!

□手を繋いで
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「遅れてすみませんっ!」


はぁはぁと息を切らしながら俺に向かって走ってきたのは、今日デートの約束をしていた相手…。
そう帝人だ。


「そんな走ってこなくてもいいだろ…」

「だ、だって…時間…っ」


俺は走ってきた疲れで横に座り込んだ帝人の背中を同じ様にしゃがんで、さすってやった。


「時間っつっても……たった1分だろ?」


運動が苦手な帝人が走ってきた理由はこのデートの時間に少し遅れてしまったからだ。

少しと言っても本当にほんのちょっと。
たった60秒の事だ。


「……もしかして俺に怒られるとでも思ったのか?」

「へっ…!そんなっ!違いますよ…そ、その…」


少し落ち着いたのを確認して何となく気になった事を聞いてみると帝人はびくっと肩を上下させて俺の方にバッと顔を上げ否定の声をあげると少しづつ顔を赤くし俯いた。


「…?どうした?」

「………そのっ…、やっぱ恋人とは1秒でも長く一緒にいたい……じゃないですかっ…」


顔を俯いた状態から少し上げてやんわり上目使いで俺を見つめるとそう言った。

まぁその言葉を聞いた瞬間、路地裏に連れて行ってヤりたくなったな。


「……。」

「ぅえ?…あの……、静雄さん?」


何も言わない俺に不安を感じたのか帝人があわあわと俺の顔を色んな角度から覗いている。


「静雄さん、やっぱ僕…変な事言っちゃいました…よね?」

「…いや、そういうのじゃねぇ。ただ帝人からそんな言葉が聞けるとは思わなくてよ。ちょっと驚いてるだけだ。」

「あっ…そうなんですか。ていうかそんなに驚く程ですか?」





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