drrr!!

□君は俺のもの。
1ページ/2ページ



今、非日常をこよなく愛す平凡な高校生竜ヶ峰帝人は絶望の淵に立たされていた。

何故かと言えば今帝人は新宿を拠点とする情報屋、折原臨也に押し倒されているからだ。



――――――――――


帝人はいつもの様に帰宅し、ゆっくりとドアを閉めた。何となく下に俯いた瞬間ふと玄関を見ると少し高そうな見慣れた靴が置いてあった。
嫌な予感と共に部屋を見る。
すると、安物のガラスのコップに並々とお茶をつぎゆっくりと飲み干す臨也の姿があった。


「あの〜…、臨也さん?」


ずっと玄関につったって、繰り返されるお茶をすする光景を見ているだけでは埒があかないと判断した帝人は部屋へ入り怖ず怖ずと臨也に話し掛けた。

だが臨也は反応を見せない。そして畳の真ん中に置いてある小さなちゃぶ台にトンとコップを置くと臨也は帝人を見て自分の隣に来るようにスラリとした人差し指でトントンと叩いた。

その様子からして何故か臨也が不機嫌という事をどことなく帝人は感じ取った。
どうしよう、と考えるよりも今は取り敢えず臨也の指示に従わなければ抑えられている怒りが爆発するかもしれないと不安に思った帝人は隣までゆっくりと近付いていった。
今まで感じた事も無い位心臓がドキドキと波打っている。

ふと意識を覚醒させれば目の前に臨也の整った顔があった。ついに来てしまったかと帝人は冷や汗を垂らしゴクリと小さく喉を鳴らす。
すると臨也は立ったままの帝人を押し倒しドサっと覆いかぶさった。驚きの余り押し倒された時打ち付けた頭の痛みを忘れ、帝人は目を丸くした。


「ど、どどどうしたんですか?臨也さん」

「………帝人君さぁ…、」

「は、はい?」

「何で俺の許可無くシズちゃんと楽しそうに馴れ合ってるのかな?まぁ、許可無くと言いつつ絶対許可は出さないけどね。」


言ってる事が矛盾してる…と頭の隅で帝人は考えつつも、今臨也が言った言葉を少しずつリピートする。
するとふとある事が頭を過ぎった。そして意を決して言葉を発する。


「もしかして…臨也さんヤキモチ妬いてます?」

「そうだよ。」


あっさりと出た答えに帝人は苦笑いした。




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ