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□ひよ先輩と朔ちゃん
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あたしと朔ちゃんは先輩後輩の仲…でも私は朔ちゃんに密かに(ホントに密かにッ!)想いをよせているのです。



今日は生徒総会にむけての個人での資料製作でたまたま生徒会室でしようと思って来てみたら朔ちゃんが居て…ラッキーだけどドキドキ…




朔ちゃんとは生徒会で知り合った。私は副会長で朔ちゃんは会計担当。朔ちゃんは見るからに理系人間で知的さの滲み出ているシンプルな眼鏡にピシッと着こなしているブレザーがなんとも私の心を擽った。
朔ちゃんの父親が医者で朔ちゃんも父親を尊敬していて同じ道を歩もうとしている。



『……ひよ先輩?俺の顔、何か付いてますか?』



……ってつい朔ちゃんに見とれてた!
不思議そうに、ちょっと耳たぶを赤らめてぼんやりしていた私を指摘する…朔ちゃんは照れると耳たぶが赤くなるんだよね。


「あ、ごめんごめん……。」



…まだ朔ちゃんに気持ちを伝える勇気は出ないので“朔ちゃんがかっこいいから”なんて言えないし…



『……ひよ先輩は髪に葉っぱ絡んでますよ?』



「わッ!!?」



また朔ちゃんへの想いを巡らせている間に向かい側に座っていたはずの朔ちゃんが至近距離に現れ長く伸びたあたしの髪に優しく触れていた…




が、あたしが発した奇声によりパッと手を離されてしまった。


『あ……、すみません。
びっくりさせちゃいましたよね…』



どこか淋しいような傷心したような表情の朔ちゃんに胸がきゅんと締め付けられたと同時に無意識に朔ちゃんの手を両手で握り締めた。
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