お題
□02机の上の教科書
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*机の上の教科書*
朝の会が終わると、次は移動教室の美術だから、みんな移動の準備をする。
私の友達の麻衣が保健委員でフッ素とりに保健室行くため、私も付きそい。
そのまま美術室行けば間にあうよねーって。
ちなみに移動教室とかはいつメン(いつものメンバーかっこよく省略バージョン)で行かない。
一応、じゃない、バリバリ異性同士だから、こうゆうのは友達どおしってゆーことで。
「麻衣ー寒いから早く行ってきてねー」
「分かってる」
そう言うと麻衣はそそくさと温かい保健室へ入って行った。
あーいいなーあったかいだろな〜。あーコーヒーの匂いがする、飲みたい
しばらくして麻衣が戻ってくる。フッ素に5分ておま、どんだけ不器用なの。
「あはは〜ごっめ〜ん、保健室の先生と盛り上がっちゃって」
保健室の死●か!!(ジャンプ参照)
「早く行かないと遅れるよ。美術坦怖いんだから」
「分かってるし」
そう言って美術室へ向かった。
「あったかい」
わあ天国だ。あったかい。すっごいコレ。1時間目なのに美術室のストーブよく頑張った。
「紗希おっせえ!心配したじゃん」
恋次、キミは私のお母さんか。
「フッ素とりいってたの。だいじょぶ、あと1分残ってたし」
「美術めんどくせえな〜早く終わってほしい」
「修兵文句言わない。あ、ほら、先生きた。前向いて」
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―――――――……
「じゃ、残り5分で美術係、新しい教科書配って」
残り5分。ながいなー
「今年はこれで最期の授業だ。新年からはこの教科書持ってくるように」
なんで今頃新しい教科書なの
そう思う私たちの心を感じたみたいで、
「あァ、今年から授業の内容が増えてな。覚える範囲が増えたんだ。その分の教科書だ。今までの教科書は捨ててもいいが、かわいそうだからやめとけよ」
新しい教科書と古い教科書。
机の上に置かれた教科書には変わりはないのに
片方だけすごくボロボロに見えた。
捨てませんよ先生、
私、新しいのより古い方が好きなんです。
(机に顔を伏せると)(懐かしい木の匂いがした)
03ヘツヅク