短編や企画作品

□信じてた
1ページ/1ページ



桜舞う春。


あのときに告げられた別れは私にとってとても辛いことだった。


でも、あの時の貴方の顔も辛そうだったの覚えてるよ―――――。


―――――綱吉。


中学を卒業すると同時に私の前から消えていってしまった。


あの時の別れから10年。


私もそれなりに勉強をがんばり、無事大学まで進学することが出来た。


父が勝手に組んだお見合い。


私は正直嫌だ。


でも、これは父の仕事の為だってことくらい分かってる。


「咲。これは取引先とのお見合いだ。断ることは許されないからな。」


「・・・・・はい。」


奇麗な着物を身に纏い、相手の待っている部屋の扉に手をかける。


「失礼します・・・・。」


入ると、黒のスーツを来た特長的な髪形の男の人。


それとなく綱吉に似てる・・・・・。


でも綱吉はイタリアに行ってしまったから・・・・・。


「奇麗になったね。咲ちゃん。」


にっこり笑う男の人・・・・・・いいや。綱吉だ。


「つな・・・・・よし・・・・?」


「待たせちゃってごめんね?」


「綱吉のばか。・・・・・でも信じてたよ。」


その場に立ち上がる綱吉に抱きつく咲。


「咲ちゃん。もう離れないから・・・・とゆうか離さないから。」


「うん。綱吉ももう突然消えないでよ。


信じてた


(だって綱吉。最後に待っててって言ってくれたから)
(だから私信じて待ってることが出来たんだよ)




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ