短編や企画作品
□信じてた
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桜舞う春。
あのときに告げられた別れは私にとってとても辛いことだった。
でも、あの時の貴方の顔も辛そうだったの覚えてるよ―――――。
―――――綱吉。
中学を卒業すると同時に私の前から消えていってしまった。
あの時の別れから10年。
私もそれなりに勉強をがんばり、無事大学まで進学することが出来た。
父が勝手に組んだお見合い。
私は正直嫌だ。
でも、これは父の仕事の為だってことくらい分かってる。
「咲。これは取引先とのお見合いだ。断ることは許されないからな。」
「・・・・・はい。」
奇麗な着物を身に纏い、相手の待っている部屋の扉に手をかける。
「失礼します・・・・。」
入ると、黒のスーツを来た特長的な髪形の男の人。
それとなく綱吉に似てる・・・・・。
でも綱吉はイタリアに行ってしまったから・・・・・。
「奇麗になったね。咲ちゃん。」
にっこり笑う男の人・・・・・・いいや。綱吉だ。
「つな・・・・・よし・・・・?」
「待たせちゃってごめんね?」
「綱吉のばか。・・・・・でも信じてたよ。」
その場に立ち上がる綱吉に抱きつく咲。
「咲ちゃん。もう離れないから・・・・とゆうか離さないから。」
「うん。綱吉ももう突然消えないでよ。
信じてた
(だって綱吉。最後に待っててって言ってくれたから)
(だから私信じて待ってることが出来たんだよ)
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