恋愛小説
□僕ガ彼女ヲ殺シタ
3ページ/17ページ
沙羅「わぁ…」
担任「今日からこのクラスに転入してきた漆黒星牙(しぐろ せいが)君だ」
星牙「漆黒です。よろしくお願いします」
あっさりしたというか、愛想がないというか、
たったそれだけ言うと黙ってしまった転校生。
『漆黒(しっこく)』と書いて『漆黒(しぐろ)』君。
その名の通り、真っ黒でサラサラの髪と
闇に墨を溶かしたように深い、切れ長の黒い瞳が
ただでさえ白いとわかるその肌を
より一層際立たせているのは明らか。
日本人形みたい…に綺麗な男の子。
こんな季節外れに転校してくるなんて、
ちょっと何か事情があったりするのかな。
しかも、すっごい美形だし…。
陰のある感じが何とも言えない雰囲気。
私なんか、好んでこの顔じゃないけど、
巻き髪みたいな茶色く派手なくせ毛に
悩みがなさそうに見られる薄茶色の瞳。
自分にないものを持っている漆黒君に
私は一目で恋に落ちてしまった。
_