恋愛小説

僕ガ彼女ヲ殺シタ
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第1章 〜殺シタノハ僕〜





沙羅「せ…いが…?」





今の今まで恋人だった沙羅(さら)を

持って来た短刀で刺し貫いた。







まるで抱き合うように身体を引き寄せ、

腹に刺さったままの刀をより深く、

柄がめり込むほどに沙羅に突き刺す。







じわりと生温かいものが、

渾身の力を込めて短刀を握っている

僕の手に感じられた。







命の、生きている証であるその流れが…

出るべきではない、身体の外へ吹き出しそうとしている。







辛うじて傷口を塞いでいるこの刀を

今、僕が抜いてしまえば

きっと沙羅は未来を見ることなく、

近くその生涯を閉じるだろう。





星牙「ごめん、沙羅」





わかっていた…わかっていたから、

僕はその柔らかな肢体から

鋭く尖った短刀を一気に引き抜く。





沙羅「…ッ」





沙羅が身体のバランスを崩して倒れる。







無機質に、そして緩やかに時間が流れる。

まるで…映画の1シーンのように、

僕の腕をゆっくりとすり抜けて

豊かな髪を流れるにまかせながら、

ガクンと地面に伏した。




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