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□嫉妬する優等生と酷い目に遭う不良
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十代は特に抵抗するわけでもなく、うっとりと目を細めてそれを受けた。
「なぁ、十代」
「ん…?なんだ……?」
「明日って、確かバイト休みだよな?」
「あぁ…。急に電話がかかってこない限り、大丈夫だと思う」
十代が言うと、何故かヨハンは嬉しそうな笑顔を見せる。
「それなら…、明日は土曜だし、一緒に遊ばないか?」
「ヨハンと、遊ぶ…?」
十代はぱちぱちと何度か瞬きをする。
今まで二人の関係は学校だけのもので、互いのメールアドレスや携帯番号は知っているものの、休日に会うことはなかった。
遊びに誘われるなんて勿論初めてで、十代は驚きを隠せない。
「ああ。十代の家はどこだ?」
「○○スーパーの近くのマンションだけど」
「あの白いマンションか。俺の家から近いな。1時に迎えにいくから、下に降りて待ってろよ。そうだ、近くに新しくゲーセンが出来ただろ?そこで遊ぼうぜ」
「えっ…、でも…」
「…嫌なのか?」
十代が戸惑っていると、ヨハンは途端に悲しそうな顔をして眉を下げ、しゅんとしてしまった。
初めて見るヨハンに驚いて、十代は慌てて否定する。