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□ただの職権乱用
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「ふ…、はぁ、あ……ん!」
しばらくすると、ヨハンのぬるっとした舌が口内に入り込んできて十代の舌と絡まり、軽く吸われたり上顎を舐められたりして十代の息が上がっていった。
自分でも、顔が熱くて目が潤んでいるのがわかる。
これは演技じゃない。
ヨハンのキスはかなり上手くて、舌が絡まる度に十代は腰に鈍い疼きを感じた。
キスが終わると、ピンク色に近い色をしてぷくりと立ち上がった十代の乳首にヨハンは舌を這わせる。
「あッ、は、あぁ…!ひ、ぅん、あ………っ」
声を出さないでおこうと思えば思うほど、いやらしい声が漏れてしまって体がぴくんぴくんと小さく跳ね、一度止めて貰おうと思い下を向くと、乳首にしゃぶりついているヨハンと目があって、一瞬ニヤリと笑ったかと思うとカリッと歯を立てられた。
「ふぁああ……!あぁ、いや、やだぁ…!」
監督に指示されていないことを口にしてしまった十代だったが、それを気にする余裕はない。
ヨハンに膝裏を持たれて上にあげられたかと思うと、腰を何度も打ち付けられて、十代ははしたなく喘いだ。
ヨハンに挿入されている訳ではないのに、蕾がきゅぅうと締まるのを感じる。
「ひ、ァ、あっん、はぁ…よはぁん…っ」
「十代……!」
「カーーーット!二人とも、真に迫ったすごくいい演技だったのニャ〜!」
監督が拍手をしてくれているのをうっすらと感じながら、だんだん正気に戻ってきた十代はとてつもない羞恥に襲われた。
「お、俺…ッ、トイレ行ってきます!」
素早くタオルを羽織って真っ赤な顔で走って出ていった十代をヨハンと監督は見送り、目配せして微笑んだ。
(『すみません監督、俺のわがままで使わないシーンを録らせてしまって…』)
(『お安いご用なのニャー、10年も片想いしてるヨハン君は可哀想だニャー。これで十代君はヨハン君のことを少しは意識してくれたかニャ〜?でも、このシーンを水曜9時のドラマで使うとしたら、激しすぎるニャー…』)
End
分かりにくいですかね…。
本来はヨハンが出演していて、大徳寺先生が監督をしているドラマです。
でもヨハンが片思いしてることを知って、使う予定のないボーイズラブシーンをわざわざ撮ってくれた先生。
本編では使用しませんよ。お茶の間が凍りつきますからね。