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□不器用な優等生と働き者な不良
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「お前さ。次問題起こしたら進級できないんだろ?」
「だったらなんだよ。関係ないだろ。」
「あるんだな、これが」
ヨハンは制服のポケットから白い携帯を取り出すとカチカチといじり、出た画面を十代に見せてきた。
「な………っ!?」
「この写真見られたらやばいんじゃねえの?」
そこに写っていたのは、十代が駅の外にあるベンチに座って、タバコを吸っている姿。
十代はいろんなアルバイトをしている為、人と関わる機会が多く、どうしてもストレスが溜まる。
それを少しでも解消するために、2、3日に一本のペースだがタバコを吸っていた。
「……生徒会長様が盗撮なんて、趣味わりいな」
「これが出回ったら困るんだろ?」
さっきの十代と教師のやり取りをヨハンは聞いていたようで、十代はギクリとしたが、なんとか平静を装うと拳に力を入れた。
「………金がほしいのか?」
「金なんていらないさ。俺の命令をいくつかきけばいい。そうだな、まず手始めに――――――………」
ヨハンの宝石のような目が、鋭く光った。
学校からの帰り道、既に外は真っ暗になっていた。
十代は下を向きながらただ機械的に足を進めていて、この夜の闇に溶けてしまえたら、どんなに幸せだろうと思った。
『あッ、ひ!、ふぁア………!』
『なぁ、言えよ。『挿れて下さい』って』
『だ、れがっ』
『ふぅん、そんなこと言っていいのか?ここは物欲しそうにヒクついてるけど』
『ひぁああん!な、舐めるなぁ、っや、あっ、舌いれちゃ、やぁあ!』
――――――――
『ふ、う……っひ、く』
『言えよ。言ったら、楽にしてやるからさ…』
『うぅ……ッ、く、だ…さ』
『ん?何だ?』
『い、挿れて、ください…っ』
『は…、いいぜ。激しくするから、気絶すんなよ、っ』
『ぁあああああ!っう、ア、あァあ……!』
つい1時間前のことを思い出すと同時に腰がずくりと痛んで、堪えていた涙が溢れる。
それから夜中泣き疲れて寝てしまうまで、涙は止まらなかった。