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□良い子のための襲い方
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覇王の部屋は、相変わらず女の子らしいところが少ない。
黒が好きで、レースが嫌いで、飾りが少ない方が好きだからだろうか。

「飲み物を取ってくる」

「あ、ありがとう」

外は蒸し暑かったので、行為に甘えることにした。覇王が戻ってくる間に小さな机を準備して、教科書を用意しておく。
暫くすると覇王が戻ってきて、お茶を
2杯持ってきた。

「口に合うといいが」

「ありがとう」

二人とも喉が乾いていたせいか、勉強をする前に半分以上飲んでしまった。

「で、どこがわからないの?」

「ああ、124ページの問2なのだが――」




勉強を始めて30分、覇王の様子がおかしくなってきた。顔が赤くて目は潤んで、呼吸が浅くて早い。

「どうしたの?顔赤いけど、熱でもあるんじゃない?」

「大丈夫、だ…」

れでもつらそうな覇王を心配したユベルが手のひらを覇王の額に押し付けて体温を確かめようとしたその瞬間、

「あぁん!」

ユベルの手が覇王に触れただけなのに、覇王はまるで情事の最中のように喘いだ。

「あ、あ、だめ、もう、むり」

覇王はそう言うと、ユベルに体をぴったりとくっ付けて抱きついてきた。

「え?え?なに?どうしたの?」

すぐに覇王を抱きたい衝動にかられるが、いきなりすぎて原因が全くわからないのでグッとこらえて覇王に聞く。

「お前が、襲って来ないからだ。お茶に媚薬を入れて、襲わせようとしたのに、間違えて俺が飲んでしまった」

覇王は恨めしそうに言ったが、こうして肌を合わせているだけでも堪らないようでびくびくと体を時折震わせながら言った。
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