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□An opportunity
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「十代、誰に手を振ってたんだ?」
友達がいぶかしげに聞いてくる。
「んー、なんか、すっげえ綺麗なやつ。」
「女か!?」
すぐに食い付いてきた友達を見て十代は笑い、「残念、男でしたー!」というと、友達はあからさまに肩を落とし、それを見てまた笑った。
「ん?すっげえ綺麗な男…もしかして、ヨハン・アンデルセンか?十代、そいつ青緑っぽい髪の色してたか?」
「あ、してた。」
確かに、と十代が言うと、友達はやっぱりなという顔をした。
「ヨハン・アンデルセンかぁ…」
十代は不思議とヨハンに興味が湧いてきて、体操服を着替えたらヨハンがいる教室に行こうと決めた。
(友達になるきっかけなんて、大抵ささいなこと)