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□嫉妬する優等生と酷い目に遭う不良
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ヨハンに脅されて関係を持つようになって、ひと月が経ったある日の放課後。


夕日の射し込む教室で、達し終えたばかりの二人が呼吸を乱したまま抱き合い、余韻を味わっていた。
不意にヨハンは十代から身体を離すと、床に仰向けで寝ていた十代の腕を引っ張って上半身を起こさせ、身体ごと引き寄せて横抱きするように自分の胸にもたれ掛からせた。
十代は目線だけを上にあげ、ヨハンの顔をこそっと見つめる。

情事が終わったときのヨハンは、疲れたような…でも色っぽい男の顔をしていて、こういう妖艶な姿に女の子は弱いんだろうなあと十代は他人事のように思った。

「…ん?」

じっと見られていることにヨハンが気付き、十代の顔を見て微笑む。
十代は顔がかっと熱くなるのが分かり、何だかばつが悪くてヨハンの腕の中でもぞもぞと動いた。


ヨハンは最近こうやって十代に微笑むことが多くなり、抱き方も僅かだが優しくなった。

十代にも変化が訪れて、ヨハンといないときもヨハンのことを考えてしまったり、無意識にヨハンの顔を見つめてしまうことが多くなった。

ヨハンは俯く十代の顎を掬って上を向かせ、頬に流れてまだ乾ききっていない涙を指でそっと拭う。
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