旧拍手

□だらしない
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「あ゛あ゛ぁぁ〜〜〜……」
深夜2時。溜め息と呻き声が混じったような声を出しながら、十代は自室のドアを開く。気だるい体に鞭を打ってふらつきながら何とかベッドにたどり着いてうつ伏せで倒れ込み、このまま寝てしまおうかと考えていたとき部屋のドアが開いた。
「十代〜いるかー?」
「ヨハン…?あー…いる…」
入ってきたのはヨハンだった。
「どうした?疲れきってんなぁ」
「さっきヤった奴が、途中で態度豹変させやがってさ…抜かずに3発された」
「うわ〜、マジかよ?俺がボコッとくか?」
「いや、いい…てかケツいてぇんだけど、見てくれよ。血ぃでてねーか?」
十代は言いながらズボンのベルトを外し、恥ずかしがる素振りを微塵も見せずに下着ごと太股までずり下ろして臀部を露出させる。ヨハンはベッドに乗り上げ、慣れたように丸い尻の狭間に両親指を差し込んで左右に割り開いた。
「ぶっ…あはははは!何これ超ウケるな!」
途端にゲラゲラと笑い始めたヨハンに十代は盛大に顔をしかめて右足でヨハンの脇腹を蹴ると、ヨハンはぐえっと呻いた。ざまあみろ。
「人の尻穴見て笑うとかデリカシーねーんだよアホ!」
「いや、だって、はは!写メ撮ってやるから十代も見てみろよ!」
「あ〜?いいよもう…」
「いやいや、これは見るべきだって」
渋る十代を無視して、ヨハンは自分の携帯で十代の穴を撮る。
撮られながら、十代は人にそんな場所の写真を撮られるのは勿論初めてだったが嫌がる気持ちの奥底に言い知れぬ快楽に似たものを感じて、俺も相当やばいよなあと他人事のように思っていた。
「ほら、」
そんなことを思っているとは知らないヨハンは親切にも十代の顔の前まで携帯を持ってきて写真を見せる。画面に写っていたのは、十代の穴とその直ぐ横に書かれた「ご自由にお使いください」という文字だった。
十代は情事後にシャワーを浴びたにも関わらずまだ残っているということは、インクは油性なのだろう。
「な!?すっげーおもしろいだろ?」
ヨハンは相変わらず笑いながら十代に尋ねたが、十代は眉間にぐっとシワを寄せた。疲労感が一気に増し、呆れて言葉が出ない。大体、そんなことをわざわざ書かれるまでもなくいろんな人にご自由に使われてしまっているのに。
「…なー十代ー」
「ん?
「俺も使っていい?今から」
「はぁ?俺疲れてるの知ってん、ッあ!ぁああっおいやめろって、んひぃっばかやろぉぉ!!」


End

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