旧拍手

□ネットの恐怖
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『パソコンで自分の名前を検索する』―――誰もが一度はやってみたことがあるだろう。
それは主に小学生や中学生の頃にやるもので、テレビに出演したり新聞に乗ったことのない平凡な高校生は、自分の名前を検索しても何も出てこないことが分かっているため、普通はやらない。
…しかし、非常に、非常に暇を持て余している高校生ともなれば、話は別である。


「『遊城十代』…検索!」


例えば、寮の自室にいるこの少年のように。












十代の友達兼弟分でもある翔は、同じ弟分の剣山の部屋に行っていて部屋にいないし(何故か、「アニキは絶対来ないでよね!」と翔に言われた)、ヨハンには「お前を確実に負かすデッキを部屋で組むから遊べない」と言われてしまった。
しょうがなく十代もヨハンのように部屋でデッキを組もうとしたが、先日組んだばかりなのですぐに終わってしまう。
寝ようとしても、こういうときに限って眠くならない。
どうしようかと悩んでいたときに目に入ったのが、全生徒が持っている電子生徒手帳、PDAだった。

そして十代は「なんか面白いの出てこないかなあ」という軽い気持ちで、自分の名前で検索したのだ。


2、3秒で検索結果が表示され、『アメリカに住む 十代 の少女が…』や、『十代 の子供の飲酒喫煙問題…』などという記事を抑えて一番上に表示された文字を見たとき、十代は思わず首をかしげた。









「『ヨハン×十代総合ランキング』…?」
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