戦場の愛
□刹那のようす
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「スメラギさん、ガンダム各機収納しました」
「ミッション完了ね。お疲れさま。次のミッションまで、ゆっくり休んでちょうだい。」
スメラギの声に皆それぞれの反応を返し、端末の通信を切った。
格納庫わきの控え室には既に刹那の姿はなく、残ったマイスターだけがいた。
「ふぅ、やっと一息つけるな」
「そうだね」
スーツの上だけを脱ぎ、腰に巻いたロックオンにアレルヤは互いに笑いながら答えた。
「今日の彼の行動でミッションに影響がでた。ヴェーダに報告しなければ……僕は先に下がらせてもらう」
「お疲れ、ティエリア」
「おぅ、しっかり休めよ」
「言われなくても」
ドアを開け、ティエリアは素っ気なく返答し出ていってしまった。
「相変わらず、協調性というものがないな」
「ティエリアはヴェーダ一筋だからね。それにしてもたしかに今日の刹那は動きが荒かったね。」
「そうだな。まぁ、人間不調な時だってあるさ」
「そうだね。」
二人は互いに軽く笑って、適当なところで別れた。
その後部屋で着替えを済ませたロックオンは、食堂に向かった。
角を曲がった先で、誰かにぶつかった。低重力なので転ぶほどではなかったが、相手が体勢を崩してしまった。とっさに手を伸ばし、体を支えた。
「悪いな……て、刹那か。大丈夫か?」
「……問題ない」
答えた刹那はロックオンの手を退け立ち上がった。
「そうか、お互い曲がり角には気を付けないとな」
「だな。すまなかった、ロックオン。」
そう言って立ち去ろうと足を踏み出した途端に、刹那は膝から崩れるように体勢を崩した。
それに気づいたロックオンが、また手を伸ばし刹那を抱えた。
「おいおい、本当に大丈夫か……」
ロックオンが心配して覗き込むと、刹那はいつもより顔を赤らめていた。
すっと手袋を外し、刹那の額に触れると確かな熱を感じた。
「おい、熱が……」
「問題ない」