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□0824
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8月24日
 
 
何時間か、暗闇をさまよったな。

そんな感覚から、ふと、
朝のわずかな光を感じて
目が覚めた。
 
彼女が消えて、もう数日が経つ。

空はいつものように晴れて、
この町を包んでいた。

取り残されたような、
その気持ちは薄れない。

彼女がいたから
あけなかったカーテン。


久しく開けてみれば、
窓枠に沢山の埃がついていた。

そろそろ掃除をしないと、
そう思った時、砂ぼこりの様な
細かい灰が、何か
形をなしているように見えた。
 
相当俺は
病んでいるのかもしれない
と思ったが、この時ばかりは、
彼女が消えた日にも
流れなかった涙が
あけっぱなしの蛇口のように流れた。
 


わすれない、ずっと、あいしてる。
 
俺もだよ。明くる日。
 
 
 


「忘れるか。誰が忘れるか。
 
明くる日お前は、
ずっと、俺が愛した、

自分勝手な女だ」
 

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