s t o r y
□プラトニック・ラブ
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プラトニック・ラブ
それは精神的な愛を意味している。
俺達の場合、精神的どころかそれ以前の問題に大きくぶち当たる。
男同士
そんなお綺麗な恋愛なんて出来る訳がない。
喰うか喰われるか 壮絶な攻防の末に立ち位置が決まり、あえなく惜敗した俺は大人しく組み敷かれている。
勿論現在進行形で。
「ハッ…ァ!」
「声…我慢してんなよ。」
ナカに入ったままの状態でゆるゆると抜き差しされる。生温い刺激にもどかしさが募っていく。
それに女みたいな情けない嬌声を素直に上げていられる程、俺のプライドは低くない。
「マジ…ッ、も…ムリ!!」
「大丈夫だって、ほら。」
続け様に 既に三回は達している。いい加減無理だ。
更なる刺激を求める体は耳に這う舌の感触さえ敏感に感じ取ってしまう。
(こんなの、辛いだけじゃねぇかよ…!!)
大丈夫だと抜かすヤツは何を考えているのか。
直に響くリップノイズにさえ小さく嬌声をあげ、脇腹を撫でる手は優しくて淫らで、どうしようもない。
変な事を口走りそうになるけど、堪えるように握りしめたシーツとシーツ越しに浅く食い込む爪で何とか理性を保っていた。
手放せば楽になれるけど、そう易々と諦められないのだ。理由は簡単で、俺のプライドの為に他ならない。
「まーだ言わない気?」
「ハ、ぁ…!!だ、れがッ!」
自身にも手を伸ばして軽く握り込まれれば背は弓なりに反る。
大体、言えるわけがない。
奴とてそれくらい分かっているのに、諦めようとしない。
そうなれば意地の張り合い、我慢比べになっていくわけだ。…俺が不利な状況で。
その気になれば俺の理性を崩すのは簡単なはずなのに、焦らして焦らして焦らして楽しんでやがる。
ちょっとずつ、だけど確実に高くなっている快楽の波が打ち寄せる。
「手、傷になるから。」
そういって握らされたのは奴の二の腕。
爪を立てるからと断るが、既に手にだけでも力を入れていないと持っていかれそうで、奴の腕を手放せなくなってしまった。
食い込む爪の痛みが無くなった分、気をまぎらわすものがない。
「ほら、言ってみ?」
そう言いながら胸の突起を口に含み、更に追い詰めてくる。
これはマジで俺に言わせる気だ。
言うまでなんでもする。絶対。
そう確信した瞬間、俺のなかで新たな葛藤が始まった。
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