a
□雨のち晴れ
1ページ/1ページ
【雨 の ち 晴】
涼輔×篠崎
生徒会・風紀役員特権は、それに見合うだけの義務を果たすから与えられているものだ。学園理事達との、いわばギブアンドテイク。
そんな事は分かっている。
理解した上で激務をこなしている。
「だけど夏期休暇返上って…。」
ひどい。
今年は受験の為に涼輔と過ごせる日が極めて少なくてその時間を大事にしなきゃいけないのに。
--------------------
To.涼輔
--------------------
お疲れさま。
勉強頑張ってね:)
おやすみ
---end---
さっき送信したメールを何回も見直しながら、泣きそうになるのをグッと堪える。
腕を目の上に乗せて、強く押し付ける。
泣くのはダメだ。
絶対にダメだ。
辛いのは僕じゃない。
唇を噛んで、波を越えた。
それに安堵し一息吐いたとき、手の中の電子機器が小さく震えた。
いつもより長いそれを気にもせず、ゆっくりと目を移すとディスプレイには『涼輔』の二文字。
それを見た瞬間、急いで通話ボタンを押した。
「も、しもし?」
『疑問系?』
「いや、びっくり、して、」
『びっくりし過ぎ。』
「…お疲れさま、涼輔。」
『ん、ありがとう。』
「…………。」
会話が続かないのは、お互いに気を使っているから。だと思う。少なくとも僕はそうだ。
…態々電話をくれた涼輔に気のきいた台詞を言ってあげられない自分が嫌だ。
自然と下がる視線。また弛みだした涙腺に今度こそ焦る。
「----ッ、」
『なぁ、尋?』
「何、」
『部屋開けて。』
「へ、や?」
『そ、尋にあいたい。』
その台詞に焦りが増す。
まさか、泣きそうなの、バレた?
やばい。涼輔の邪魔にはならないと決めたのに。我が儘は言わないと決めたのに、言わずとも無理をさせている。
「涼輔、僕は平気だから、気にしな『あいたい、尋に。』」
やんわりと涼輔の気遣いを断ろうとしたけど、あまりにも真剣な声でそんな事を言われたら受けるしかない。
だって僕もあいたいから。
.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ただ、涼輔と篠崎のラブラブな感じを伝えたかった。
でも失敗。甘々にしたいけど篠崎が変に意地張ってデレるから下手するとバカップルになりかれない…。
どうしてもバカップルにはしたくない管理人(笑)