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【証明が必要な恋ならば】
久々に生徒会役員が食堂に集まったあの日から3日。
俺達が退室したあと、風紀委員長の怒りを買った編入生は三日間の停学処分を受けた。
次の日に教室で奈緒に聞いた話によると、相当怖かったらしい。
顔が綺麗なだけに怒り心頭な永倉は相当怖かったらしい。
もう一度言おう。
相当怖かったらしい。
というか客観的に(食堂や風紀委員室での騒ぎを除いて)見ると、悪口を言われた張本人が停学処分。
おかしい気もしなくはないが、あの状況を目の当たりにしている生徒が多いため永倉の判断は最善だと思われている。
それに彼がいない日常は(つい最近までの日々だが)とても過ごしやすい。
このまま親友認定なんて消えてなくなってしまえばいいと、甘いことを考えながら編入生のいない学園生活最終日を迎えている俺は、只今レクリエーションルームにいる。
「雨宮…。」
「ちょ、ダメ!!席順守って!」
「雨宮さん…。」
「あ、そのお皿は向こう!」
定期的に行われる親衛隊との食事会。今日はその日だった。
でも最近の食事会は生徒会の激務続きで見送ってばかりだったせいか
いつもは大人しい雨宮のテンションが怖い。
さっきから話しかけても気付いてくれないし。まぁ大した用じゃないから良いんだけど。
「せ、せせせせ瀬戸様!!」
「ん…?」
ぼんやりと世話しなく動く雨宮を見ていると多分俺の名前が呼ばれた。
振り返れば小柄な可愛い感じの生徒が立っていた。
「…どうかした?」
顔が真っ赤だったし、小刻みに震えてるから、出来るだけ優しく声をかけた。怖がらせないように笑顔1.2倍 の筈。
「―――ッ!!」
…え、なんで涙目?
俺…?
俺のせいかな。
「えっと…?」
「あ、瀬戸さん後輩泣かせた。」
「え、雨宮そんな事いう?」
泣きそうな生徒の対応に困って思わず頭に手を伸ばして撫でてみたら、泣かれた。
そんな反応にフリーズした俺に助け船(?)をだしてくれた雨宮。
最近俺の扱い酷くないか?
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