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【最初からだった】



  *   *   *   *




私立永城学園


今時流行らない全寮制の男子校であり、俺、瀬戸 悠が通うその高校は都会からは遠く離れた山のなかにあった。

質実剛健を校訓に掲げながら、校内は中流階級出身の特待生が見れば卒倒するような豪華絢爛ぶりで理事長の神経を疑ってしまうだろうがそれにも歴とした理由なるものがある。

その理由とやらを自分で言うのもなんだが、俺が通い母校となるこの学園は有名処の(分かりやすく言うとすれば、大企業の跡取りや、有名な華道・茶道の家元の次期当主など)子息がこぞって集まる超金持ちブルジョア学園だからだ。


こんな山奥の高校がそんなことになった経緯は全く知らないが、この学園は将来を考え、悪い虫が付かないようにという傍迷惑な親の心配から成り立っている。






そして更に悪いことがもう一つ





信じがたいかもしれないが、この学園の在籍生徒の内7割がバイ。という実にショッキングな統計データがあったりする。

思春期の男子を一所に閉じ込めてしまったのだからこの結果は最早必然としか言い様がない。



そんなおぞましき学園に通う俺も例に漏れずバイと化してしまったのだから、もうどうしようもないだろう。


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