愛されて愛されて。

□愛されて愛されて。10
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思い返せば、なんて馬鹿な事をしたんだろうと、自分に呆れてしまう。
と、言うのも、計画性の無い自分に呆れている。
つまり、京平と遊ぶだのなんだの言っていたけれど、結局連絡先が解らない上に、計画すら立てていなかったのだ。
ああ、なんて馬鹿なんだ。阿呆過ぎる。どうしよう、ゴールデンウィークが終わってしまった!
あの輝いていた休日はなんだったんだろうか!確かに輝いていたけれど。色んな意味で。
ああ、情けない!友情を深めようと思っていたのに!


「別に…気にする事じゃないだろ」
「え、いや、でも、さ……っ」
「…俺もそりゃ…遊びたかった。だけどよ、そんな事が問題なんじゃねぇんだよ」


項垂れる俺の頭を、ガシガシとぐちゃぐちゃにして、ニカッと笑う。
それはまるで、太陽みたいな笑顔だった。
……京平、意外にもこんな風に笑うんだ…。もっとこう、何時もはクールな印象が強いから。


「葵と居れるかどうか、だろ?」


だ、だろ?じゃねぇよ!馬鹿っ!え、え、ちょっ……嘘っ!
物凄く恥ずかしいじゃんか、これぇ!!何この羞恥プレイ!やめてよ、もう!
最近、こういうのばっかりだよ!?


「…ありがと、」
「ああ。……(顔、赤…)」

ふわふわする頭で、唯思ったのは、京平は天然タラシだっていう事。
熱の所為で浮ついた頭では、幼稚な言葉しか出てこなかったけれど……。
それでも俺は、京平と一緒に居れる時間を、少しでも長く延ばしたかった。
他の子と一緒に居れた時間に比べると、あまりにも少なすぎるから――。


「――かわいい」




君も虜なのかい?

10.04.27
 

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