□元T3906
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[酔い/ERO]








「・・・・・・くさいな」

ドアを開けての開口一番。
矢野は眉間に皺を寄せつつズカズカと奥まで入ってきて、部屋の窓を開けた。

「くさい、言うなら、・・・出てけ」

ソファに寝転んだまま、そう返した。
机にある一升瓶の酒は、既に空になっている。

「出てけ・・・、って、そっちが呼んだんやろ」

手を伸ばそうとしたグラスを奪い取ると、瓶を持って洗面所に消えていく。
奪い取ろうという気にもなれない、
頭が、くらくらする。

「なんなんー、用は?」

矢野の声が、洗面所から届く。
返事するのも、めんどい、

「ちょっと、聞いとる?」

こくんと頷いて、倦怠さが残る身体をゆっくり起こした。
矢野は腕組みをして、洗面所出たところからこっちを見てる。

「ただ、ちょっと・・・熱の吐出し口に呼んだんじゃ、」

その言葉に目を丸くして、呆れたように溜め息を吐いた。
すると矢野は何を思ったのか、手に持っていたグラスの酒を飲み干した。
普段、は、絶対飲まん奴やのに。
目の前にまで歩いてきて、ゆっくり自分に覆い被さる。
息を吐いて目を閉じると、優しく、労るようなキスの後、舌が口内に侵入する。

「、ン・・・」

既に自身がアルコール臭で漂っているせいか、酒を飲んだ矢野からは何も感じなかった。
そのまま滑り落ちるように、首元から胸へ。
そこで、矢野の動きが止まる。

「ホンマに、・・・いいん?」

理解が、できなかった。
確認を取る必要など無い。
わしが自分から矢野を求めた、
それなのに、


否定など、するわけがないじゃろう?





「・・・ァ、ッ、あ」

奥を突き上げられるたび、喉の奥がひりつく。
アルコールにやられているのもあって、それは若干掠れた声になった。

「は、・・・っ、ッ、ん、」

太ももを抱え、上から叩きつけるように、矢野は腰を振っている。
額を流れる汗が、頬を伝って、自分のふくらはぎに落ちた。

「ひぁ、ア、っ・ぁ・・・ッ!」

男二人には、狭いソファ。
律動にあわせて、軋むような音をたてている。
それが耳を通って躰の髄を刺激し、熱を徐々に増幅させる。

「う、ぁ、ァあっ、・・・イ、くぅ、っ、あ──っ・・・!」

矢野のモノが最奥を突くと、自身の張り詰めたモノがあっさりと熱を放った。
続いて矢野の熱が、中に流し込まれる。
荒い息を吐いて酸素を求めていると、矢野の口唇がそれを塞いだ。

「ぅ・・・ン」

ちゅっ・と、わざとらしく音をたて、矢野は、八重歯を見せて笑った。

「ありがとさん」
「・・・それは、こっちの、・・・セリフじゃ」

見当違いのお礼に、呆れて苦笑することしかできんかった。
けど。



それでも、矢野は、相変わらず微笑みを浮かべていた。


END
うーん、不完全燃焼orz
話的には39←06な感じ。
素直にヤリたいと言えないから、
酒のせいにする鉢サンにもえー(←
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