右手で右手を掴んでみた。

□串刺しのハート
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「ツナー!」
「わっ!」



大好きな幼馴染の背中を見つけて抱きつく。



「てめえ、何しやがんだ!」
「ごっくんうるさーい。」
「10代目!大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫だよ。」
「てめえはいい加減10代目から離れやがれ!」



ぎゃんぎゃん言ってるごっくんを無視してツナにおはようと挨拶をする。
ツナは笑顔でおはようと返してくれた。



「ごっくんもおはよう!」
「……。」
「ごっくん?」
「………はよ。」



そっぽを向いたまま挨拶をするごっくん。
それだけのことだけど、挨拶を返してくれたことが嬉しくて頬が緩む。



「ごっくん!今日は何の日でしょう?」
「は?知んねーよ。」
「えー本当にー?」
「……。」
「えーえーえーえー。」
「うっせえよ!」



やっぱりと心の中で呟く。
ツナは何の日か、ちゃんと分かっているみたいで苦笑いしてる。



「で?」
「えー?」
「何の日か教えろっつってんだよ!」
「正解はー、ごっくんの誕生日でしたー!」



ポカンとした表情のごっくん。忘れてたって顔に出てる。
やっぱり、やっぱりだ。君はもっと自分のことを大切にするべきだよ。



「はい、プレゼントー!」
「お、おう。」



受け取って包装紙を破ってあけるごっくん。
普通さ…、貰った直後に見ないよね?見るときって普通あけてもいいか聞くよね?



「てめえ…。」
「んー?何ー?」
「これは何だ!」
「…何あげたの?」



怒り狂ってるごっくんと、恐る恐る聞いてくるツナ。
さらりと答えてみた。



「干しえび。」
「それって…何かあるの?」
「カルシウムが高いのです!ほら、ごっくんって怒りっぽいじゃん?」
「……。」
「逃げて!早急に逃げてええ!」



ダイナマイトを構えたごっくんと私を逃がそうとするツナ。
ハハ、あのダイナマイトは良く出来たおもちゃなんでしょ?何で逃げないといけないんだ。ツナは心配性だなー。



「なーんてね!まだプレゼントがありまーす!」
「これもプレゼントに入るってことだよね?」
「まあね!」



苦笑いするツナに笑いかけながらごっくんにプレゼントを渡す。
中身はシルバーリング。2時間も京子と花に付き合ってもたって選んだものだから自信はある。



「これもふざけたもんだったら、ただじゃおかねえからな!」



なんて怖いこと言ってるごっくん。
そんなに信用がないなんて…私の心はグサグサです…。




→なんてね。

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