右手で右手を掴んでみた。
□あ、ごめん、それ私
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「あ。」
「どしたん?」
「懐かしいもん出てきたわ。」
「ん?」
光の方を見ると薄く笑っていた。
「卒業アルバムやん!」
「おん。」
「ほんま懐かしいわー。」
ベットに座ってる光の横に座って、光の膝の上で開かれた卒業アルバムを見る。
「高校も同じやつらばっか写っとるなー。」
どのページも学校に行けば会えるやつらばっか。
「あ、先輩らや。」
「テニス部の?」
「おん。懐かしいわ。」
「あ、遠山くんおるやん。」
「金ちゃん知っとるんや?」
小学校が同じだったやんと答えると、ふーんと興味なさそうな返事が返ってきた。
「あ。」
「…手紙?」
アルバムの途中に手紙が挟んであった。
…なんか見覚えがある。
「これ名前がないから行かんかったやつやわ。」
「…へえ。」
「反応薄いわ。彼氏へのラブレターやのに。」
アハハ、と引きつり気味に笑うと光が顔を覗き込んできた。
あ、ごめん、それ私
→名前の書き忘れに注意しましょう。