短編小説

□秋の独白(TRICK)
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ガサリ、と買い物袋を置いた音が妙に響いて、なんだか泣きそうになった。
そんな感情に無視を決め込むけれど、どうせ今回も失敗するんだろう。




だんだん暗くなる午後5時半。ゆっくり減っていく化粧水。
時はなんて残酷なんだ。
ひとりの時間ばかりがこんなにも、長い


戻らない時間の中で、戻るのはいつだって私たちの曖昧な距離だけ











最後に聞いた言葉………何だっけ。でも多分むこうも忘れてる。だから次に会う時はきっと、何もなかったことになってる。

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