短編小説

□小さい春みつけた(TRICK)
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さっきからぼーっとこちらに向いてる、その視線の中にひとつ。


散り始めてもいない桜の下で"花びらがついてる"と髪に触れてきた、その掌の中にひとつ。


花見の季節なのに、焼肉じゃなくてすき焼きを誘う、その言葉の中にひとつ。


つまずいた拍子に倒れ込んでしまった上田さんの胸、その鼓動のあまりの大きさの中にひとつ。


急いで離れて少し速足で歩く。それだけのことなのに熱を訴える、この体温の中に…ひとつ。




小さい春

小さい春

小さい春、みつけた




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もう好きなだけいちゃついてれば良いよ!!

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