短編小説

□treasuer(SPEC、決戦前脳内補完)
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無人の教会に一人座って、あたしは物思いにふけっていた。

もしかしたらこれで最後かもしれない、とか。らしくない不安が過り、つい思い出すのは――



『当麻』

偉そうに命の重みだとかを語りながら、自分の命はこっちが苦しくなるくらい軽々しく扱う筋肉バカ。
いつ拳が飛んでくるかわからなのに、隣にいると何故か落ち着いてしまったりしました。


『当麻君』

ムードメーカーで事無かれ主義のおじいちゃんかと思えば、奥底に熱いものを隠し持っていた係長。
向けられた銃口からあたしを庇ってくれた時は吃驚したと同時に、すごく頼もしかったです。


『当麻さん』

最初は仲良くなかったかもしれないけど、素直でしっかりと自分の意見を持てる美鈴ちゃん。
もう自分には関係ないのに、あたしのために封印してたSPECを使ってくれて嬉しかった。


『姉ちゃん…』

少し前までは宿敵だった漆黒の少年。
今はただの、愛しい弟。

そしてもう彼に、この手で触れることは叶わなくなったけど…。


でも、これも含めて

忘れない。忘れられるはずがない。



プラスもマイナスも。
白も黒も。
温も冷も。
善も悪も。
全て合わせてあたしなんだ。もう何一つ奪われてたまるか。


今ここにいるのは、一人じゃない。


宝物をそっと心に仕舞い込んで、あたしはまだ現れない敵を見据えた。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ちょっぴしデレ当麻。

SPEC小説て今のところ、脳内補完しか書いてないことに気づいたww

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