けいおん!SS

□澪「可愛い奴…」
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私の目の前にいるコイツは

私の幼なじみで親友で彼女の


田井中 律


なぜ

今コイツの顔が赤らめているのかといえば


何を思ったか


私が両腕をタイで結び

ブラウスのボタンを外したからだ


我にかえったときには

私は馬乗りになっていて


目の前にコイツが

この姿でいた


いつも明るくて

弱いところなんか
私以外にはいっさい気付かせようとしない


そんな律のこんな顔

初めて見た……


じゃなくて


自分でしておいて

どうしたらいいのかわからない…


「えっと…あの、律…?」

「なんだよ…」

「ご…ごめんなさい…」

「え、こんな格好にしといて
ごめんなさいって…」


律は

涙目になっていた




それを見て

ようやく私は気付く




もしかして、律…


「ん、してほしいか?」



「なっ!?んなことないやい!!絶対にない!」

「み..澪しゃんこそ…!」

「なんだい…」


「顔真っ赤にして焦ってたくせに…!」



顔を真っ赤にして
目に涙を浮かべて

無防備なその姿で


キッ
と私を睨み付けて

そう叫ぶ律が


たまらなく可愛くて

愛しくて


思わず笑い出してしまう


「な…なにがおかしいんだよ…」

「お前が可愛いこと言うから」

「なっ…んんっ…」


必死に強がる律が

あまりにも可愛くて


思わずキスをする


あんなことを言っておきながら


私を受け入れて
甘い声を漏らす


「ん…みお…」


さっきまで弱々しく私をにらんでいた
その瞳は

今は潤んで必死に私を見ていた


無防備に口を開けて

私の名前を呼んで


ひたすらねだるその律を見て


私の中のなにかが切れる音がした気がした
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