長編壱
□2.実力と能力(1)
1ページ/1ページ
『おはようございます。柳生比呂士様。』
「…おはようございます。」
柳生様は落ち着かないご様子。
突然"護衛"とか名乗った奴が、クラスで隣り合わせ、部活のマネージャーと来たら誰だって落ち着かないよな…
「あの、水谷さん…」
『何でしょうか?』
「"私の護衛"になると言いましたよね?」
『はい。』
「だからといって学校行く必要はないと思うのですが…」
『…それもそうですけど、私はココに来る際に契約したんです。』
「契約?」
『はい。
その契約によって私はココにいられます。』
「……。」
きっと内容を聞かれるだろうから続ける。
『それが…悪くいえば私を束縛する契約。
私は水とご主人様とy…伏せて!!』
嫌な気配に気づいたアタシは柳生様を突き倒し、私も伏せた。
ヒュンッ
頭上を何かが過ぎた。
『柳生様、少し離れて。』
「何なんですか?」
『あなたを殺そうとする奴らです。
私は奴らからあなたを守る為にココに来たんです。
…とにかく安全な所へ。』
柳生様は訳が分からないといった表情で少し離れた所へ走っていった。
『…村雨丸、敵だよ。』
アタシが呟くと共に何もない腰から何かを引き抜く仕草をする。
感じる手応え。
冷え込む空気。
アタシの手には日本刀が握られていた。
向かう敵は一見幼稚園児が黒いマントを羽織っている様に見える。
だが、オーラからして決して弱くない。
敵が素早く突進してくる。
アタシも村雨丸を握りしめて突進。
ガチーン
「な、剣が…」
『やっぱし、下っ端は安い剣しか持たせてくれないのね。』
相手の剣にヒビ。
一気に畳み掛ける!
『……』
手に込める力を強める。
途端に剣から弾ける露。
『水よ!!』
敵は大量の水と共に白銀の剣が降ってくるのを見ただろうな。
あ、敵以外にもいるね。
…柳生様。
―愛しいご主人様と背中合わせに立っておられる方―
<アタシは所詮、恋する精霊でしかない>
* * * * *
名前変格がないっorz
柳生君=仲良し以外は苗字呼び
という私の独自設定によって、他人と絡ませないと変換出来ないという罠←