短編集
□雨の日の君
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『せんぼんざーくらーよるにまぎれー』
「…………………」
『きみのこーえもーとどかないよー』
「……………」
『……花村さん、大丈夫ですか。さっきからずっと黙ったままですよ』
「…大丈夫…まだ、大丈夫………まだ堪えられる…頑張れ俺の理性…」
現在の状況。
俺が湯舟に浸かり、名前は俺に背を向けて体や頭を洗っている。
……なんだこれ！？
なにがどうしてこうなった！！
しかもなんで名前は恥じることなく普通に風呂を楽しんでんだ！
なんか意識してる俺が恥ずかしいわ！
あー無理無理無理…！
名前の後ろ姿だけで既に俺のがビンビンに反応してるっつーのに！
ああぁ俺の性欲よ鎮まってくれぇぇ！！
『…陽介さー、本当に大丈夫？』
「だ、だいじょう……ってこっちに体向けるなー！！」
『いやいや見ても大丈夫だって。泡によって絶対領域が見えないようになっているのだ』
「そういう問題じゃねーんだよ！」
こっちに体を向けた名前が嫌でも視界に入ってくる。
た、確かにボディソープの泡のおかげで胸とかはハッキリ見えてないけど…
…けど…それが逆にエロさを強調してんだよ！
見えそうで見えない裸がエロいんだよ！！
気づけ俺のこの気持ちに！！
「くそっ…俺の理性が崩壊寸前だ…！」
『え、もう？ダメだってー。もう少しからかいたい』
「これ以上何をすんだ何を！！」
『何って…ナニ？』
「女子がそんなことを言うんじゃありません！」
俺の言葉にあははと笑いながら、シャワーを浴びて泡を流していく。
って、ちょっ…今流したら…！
『ふぃー…さっぱりしたー』
「…お…おまっ……っ！」
『…陽介、顔真っ赤だね』
「…っ！！」
俺の反応をおもしろがるようにクスクスと笑う名前の姿が目に映る。
その体には、もう泡はついていなくて。
その瞬間、俺の理性は跡形もなくぶっ飛んでしまった。
「っ…名前…！」
『なに……っんぅ！？…ん…ふぅ…！』
抑えがきかなくなった俺は、名前を引き寄せ噛み付くように唇にキスをした。
さすがの名前も不意打ちのキスは驚いたようで、抵抗することすらできていない。
そしてなんとか息を吸おうとして口を開いた瞬間に、すかさず俺の舌を捩込んで、名前の咥内を犯していった。
舌を絡ませ、歯列をなぞる。
そうやってしばらく名前を堪能し、やっと離してやると、はぁはぁと息をしながら涙目で俺を見上げる名前の姿があった。
…その姿を見るだけで、めちゃくちゃにしてしまいたくなる。
『…はぁ…はぁ……よ…すけ……？』
「お前が悪いんだぜ…？俺の状態を分かっていながら、煽ったお前が…。…責任、取ってくれるよな？」
『…えっ…と……あの……』
「拒否は認めない。つーわけで…いただきます！」
『ちょっ…待っ……あぁ！』
雨の日の君
君を食べられるなら
雨の日というのも悪くない
→あとがき＆オマケ