短編集
□ごめんねの言葉
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『ざけんじゃないわよ!』
「それはこっちの台詞だ!」
『何よ!アンタなんかもう知らない!』
「ああそうか!勝手にしろ!」
今朝、恋人のステルクと大喧嘩した。
理由は、私の勝手なヤキモチのせい。
最近のステルクは、アトリエの手伝いとか言って、ロロナと二人でよく街の外に出かけていた。
…でも別に、それだけなら、そんなに怒りはしない。
問題なのは、私がどんなに話し掛けても、すぐ打ち切るくせに、ロロナが話し掛けると、嬉しそうに長話をすること。
思い出すだけで、すっごい腹が立つ。
なんで私には素っ気ないのに、ロロナとはあんなに楽しそうに話すのよ!
たまに会話しても、ロロナ、ロロナロロナロロナ!
そんなにロロナが好きなの!?と言いたくなるくらいロロナのことばっかり!
確かにロロナは可愛い。
明るいし、ドジなところ見ると守ってあげたくなる。
けど、だからって…ロロナと私を比較することないじゃん!
可愛いげがない?
女らしくない?
料理下手?
ふざけんじゃないわよ!
私だって、ステルクと少しでも釣り合うように努力してるわよ!
服だって女らしいものに変えた!
髪型だって、ステルクの好みにした!
料理だってイクセルに教えてもらって練習してる!
なのにアイツは…!
気づきもしないであんなことばっかり言いやがってぇ…!
『マジ腹立つ!死ねロリコン!』
そんなにロロナが好きなら、私と別れてロロナと付き合えばいいよ!
もうあんな奴知らない!
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