Novel

□おとなとこども
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--------背伸び--------

自分達の恋は、年齢差どころか
教師と生徒といういわば禁忌の恋なのだ。
(ロマンチックでも、なんでもないけど)

大人は高校生といえば「子供だから」と云って、
何でも済ませようとする。
気に喰わない。
でももっと気に喰わないのは、そんな大人に惚れてしまったこと。
これは自分の人生の第一汚点。
絶対に好きだとか云ってやらないけど、
多分確実に依存していると思う。

とかなんとか、自己嫌悪に陥りそうになっていると、
その原因の張本人が機嫌良さ気に笑っている。
「…何だよにやにやしやがって」
「いや?別に?」
「隠し事してると浮気すんぞ」
相変わらず縮まらない身長差がうざったい。
「晋ちゃん小さいね?」
(隠し事っていうか、厭味だった)
意地悪く笑うそれに苛立ちが隠せない。
思わず背伸びをして、噛み付くみたいにキスをした。

(本当にロマンチックさの欠片もない、)

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