Novel

□横顔
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今日は何だか気が向いて、学校に来た。
勿論、銀八に唆されたのもあるけど。
(完全登校時刻だって、守った)
だけどやっぱり授業は詰まらない。
思わず「莫迦だな」なんて呟きそうになって、口を紡ぐ。
(云ってやってもよかったけど)

「何か質問ねぇのー」
「あるアル!トイレ行っていいですか!」
「はい他にー」
気怠そうな声が耳を掠めて、思わず銀髪頭を見てしまう。

(今日の朝まで、一緒に、)

そう思った刹那、其れと目が合って、
思わず頬が火照る。
「高杉ー背筋は伸ばせー」
そういいながら一瞬微笑みをみせて、黒板に向かう。
(いつだって、先生はずるい。)
触れそうで触れない。
見えそうで見えない。
嫌いなんて云わせない。
悔しいけれど、
(誰より好きなんだ、)

注意された背筋は伸ばさないまま、その横顔を見つめた。

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