禁書(オリジナル 短編)

□君の心の声に
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攻めサイド


仕事が終わって家に帰ると愛おしい奴が制服でテーブルで眠っていた

俺は大学に行きながらモデルをしているために恋人と過ごせる時間がなく一緒に暮らしてるのに会えていない

しかも最近は女のアイドルとの付き合っている噂が流れていた

でも雅はいつも、俺は大丈夫と笑顔で言ってくれる

だから俺はそんなに気にしていなかった

雅が風邪をひかないように雅の上に俺のコートをかけてあげる

ふと雅の手首を覗くと切った跡が何箇所もあった

俺はすぐリストカットの跡だと気づいた

そしてテーブルにたくさんの精神安定剤を見つけた

近くにあったノートを開くと雅の言葉が綴られていた

「俺だけを見て?」

「俺のこと愛して?」

「どこにも行かないで…」

こんなこと思っていたなんて思わなかった

俺は涙が止まらず雅を後ろから抱きしめた

「雅…ごめん…」

雅が本当の気持ちを我慢していたなんて思ってなかった

だから二人でいても女のファンからサインや握手を求められたら気にせずファンサービスしていた

きっと俺がモデルとして売れて他の女にモテるのを見ているのも辛かっただろう

俺はそんな雅の気持ちにも気づかずに雅の言葉に甘えていたんだと思うと自分に苛立ってきた

「雅…本当ごめん」

俺が愛してるのは雅だけ…

どこにも行ったりしないから

「もう悲しませたりしないから」

俺はそう心に誓って雅にキスをした

もう一生泣かせないと…








END

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